新年最初の一歩は、願いを言葉にする行為でもあります。2026年の三が日は1月1日(木)〜3日(土)で、元日の深夜帯と日中、そして土曜に重なる三日目は例年にも増して人出が見込まれます。この記事では、東京・関東の代表的な10社寺を取り上げ、ご利益と御祭神の由緒、いつ・どこから並べばよいかという動線、公式が公表している参拝・祈祷時間や交通規制の見方までを解説していきます。最後に、目的別の「混雑少なめ」「ご利益重視」「アクセス重視」の三案も提示します。移動の段取りと気温・防寒の読み、そして時間帯の選択。この三点を押さえた計画なら、初詣はもっと快適で、願いはより澄んだかたちで神仏に届きます。

新年を迎えたら多くの人が初詣(はつもうで)に出かけます。初詣とは、その年最初に神社仏閣へ参拝し、一年の平安や願い事成就を祈る日本の伝統行事です。毎年東京・関東エリアの神社仏閣には数百万人規模の参拝客が訪れ、明治神宮や成田山新勝寺などは正月三が日だけで約300万人もの人出になります。本記事では、2026年の初詣にぜひ訪れたい東京および関東近郊の代表的なおすすめ初詣スポット10選を厳選し、それぞれのご利益(御利益)や御祭神(仏閣の場合は本尊)、混雑状況と回避策まで徹底解説します。さらに基本マナーや実用的な豆知識、目的別のおすすめスポットもまとめました。快適でご利益たっぷりの初詣計画にお役立てください。

目次
- 明治神宮(東京都・渋谷区)
- 浅草寺(東京都・台東区)
- 東京大神宮(東京都・千代田区)
- 神田明神(東京都・千代田区)
- 日枝神社(東京都・千代田区)
- 川崎大師 平間寺(神奈川県・川崎市)
- 鶴岡八幡宮(神奈川県・鎌倉市)
- 武蔵一宮 氷川神社(埼玉県・さいたま市)
- 成田山新勝寺(千葉県・成田市)
- 鹿島神宮(茨城県・鹿嶋市)
- 初詣の基本マナーと作法
- 実用ガイド
- Q&A
- まとめ
1. 明治神宮(東京都・渋谷区)

概要/歴史: 明治神宮は明治天皇と昭憲皇太后を御祭神として、大正9年(1920年)に創建されました。東京を代表する神社で、広大な人工林に囲まれた境内は都会のオアシスのような厳かな雰囲気です。初詣では全国一の参拝者数を記録し、三が日で約310万人が訪れる日本一の初詣スポットとして知られています。原宿駅からすぐという立地の良さも人気の理由で、年間参拝者数は約1,000万人にのぼります。
御祭神・相殿神: 御祭神は明治維新を成し遂げ近代日本の礎を築いた明治天皇と、その皇后で国民教育や福祉に尽力した昭憲皇太后です。相殿神(あいどのがみ)は特に祀られていません。皇室ゆかりの神社らしく、国家安泰や世界平和など大きなご加護があるとされています。
主なご利益: 厄除け・開運招福・家内安全・縁結び・学業成就など、多岐にわたります。明治神宮は特定の分野に偏らない総合力の高いご利益が魅力です。縁結びについては、明治天皇と昭憲皇太后のお二人が仲睦まじかったことから夫婦和合・良縁にも御神徳があるとされ、家族の幸せや子孫繁栄を願う参拝者も多いです。
混雑予測と回避策: 毎年大晦日から終夜参拝が可能で、元旦0時の年明け直後から明治神宮は「最強レベル」の混雑となります。1月1日0時〜1時頃は特に激混みで、深夜0時の瞬間に新年のお参りをしたい人々で長蛇の列です。この時間帯は参拝まで3時間以上待つこともあり、ゆっくり参拝したい場合は避けた方が無難でしょう。おすすめの狙い目時間は、元日深夜2時〜5時頃や元日夕方以降(19時過ぎ)です。また1月2日・3日の早朝8時までや夕方以降も比較的混雑が緩和します。参拝ルートは原宿口(南参道)が最も混雑するため、少し離れた代々木口(北参道)や参宮橋口(西参道)から入るとスムーズです。広い境内では警備スタッフの指示に従い、拝殿前では中央に集中せず左右に広がってお賽銭を投げるとスムーズに進みます(中央でなくとも神様にご利益は届くと案内されています)。
御朱印・授与品(人気お守り): 明治神宮では通常時、オリジナルデザインの御朱印帳や期間限定御朱印も人気ですが、初詣期間中(元旦〜しばらく)は御朱印の授与を休止する年もあります。事前に公式情報を確認しましょう。授与所では破魔矢(はまや)や熊手、干支柄の絵馬などお正月限定の縁起物が人気です。特に破魔矢は魔除けの矢として毎年多くの人が購入します。また家内安全守や厄除守など基本のお守りから、学業成就や交通安全など各種お守りが揃います。どれも明治神宮ならではの清廉なデザインで、お正月の記念に求める参拝者が絶えません。なお、お守りや破魔矢を受ける際も長い列になるため、混雑ピークを外すか、暖かい服装で並ぶ準備をしておきましょう。

参拝作法・境内モデルルート: 原宿駅側の大鳥居をくぐったら、まず参道脇の酒樽やワイン樽の奉納展示に注目です。明治神宮は国内外からの献酒が有名で、写真スポットになっています。その先の手水舎でしっかりと手と口を清めましょう。参道は真ん中が神様の通り道とされますので、端を歩くのがマナーです。広い参道を進み南神門をくぐると拝殿前に出ます。二礼二拍手一礼で参拝した後は、境内右手の神楽殿にも足を運んでみてください。正月三が日には神楽殿で家内安全などの特別祈願が執り行われ、タイミングが合えば巫女(みこ)さんの舞を見ることができます。また時間に余裕があれば、早朝限定で入れるパワースポットの清正井(きよまさのいど)にも立ち寄ると良いでしょう。明治神宮御苑の中にある井戸で、見るだけで運気が上がると評判です(元旦は終夜開放、2日以降は日の出〜日の入りに合わせて開門)。

アクセス/最寄駅・駐車情報: 最寄り駅はJR山手線「原宿駅」表参道口または東京メトロ千代田線・副都心線「明治神宮前〈原宿〉駅」で、いずれも徒歩1分です。他に小田急線「参宮橋駅」(徒歩7分)、JR中央線・総武線「代々木駅」(徒歩5分)など複数のアクセスがあります。正月三が日は周辺で大規模な交通規制が敷かれ、駐車場は一般利用不可となるので公共交通機関を利用してください。平時は境内に第一〜第三駐車場(計約120台)がありますが、初詣期間中は閉鎖されます。電車は大晦日から元旦にかけて終夜運転を実施する路線が多く、原宿駅も終夜利用できま。
周辺スポット・甘酒休憩どころ: 境内を出たあとは、参道脇に出ている露店で甘酒を楽しむのもお正月ならではです。明治神宮の境内や隣接する代々木公園には屋台は出ませんが、最寄りの原宿・表参道エリアには飲食店が豊富です。初詣客向けに明治神宮前交差点付近で甘酒の振る舞いをしていることもあります。また、少し歩いて表参道方面に行けばおしゃれなカフェが多数ありますので、初詣後の休憩に困ることはないでしょう。参拝で冷えた体を温めるのに、老舗の甘味処でお汁粉をいただくのもおすすめです。明治神宮ならではの正月の賑わいを楽しみつつ、周辺の観光もセットで満喫してください。
明治神宮(東京都・渋谷区)→ 公式サイトはこちら
2. 浅草寺(東京都・台東区)

概要/歴史: 浅草寺(せんそうじ)は東京都内最古の寺院で、推古天皇36年(628年)に創建されたと伝わります。本尊は聖観世音菩薩(しょうかんぜおんぼさつ)、いわゆる観音様で、日本有数の観音霊場として古くから庶民の信仰を集めてきました。江戸時代には将軍家から庶民まで幅広く参詣し、門前町として浅草の街が発展しました。赤い雷門(風雷神門)や五重塔など見どころも多く、東京を代表する観光名所です。「浅草の観音様」として親しまれ、2024年には創建1396年を迎える歴史あるお寺です。
本尊・堂宇: 浅草寺の本尊・観世音菩薩像は秘仏で、浅草の漁師兄弟が隅田川で網にかかった小さな仏像を拝したのが起源とされます。その像は本堂中央の厨子に納められており、通常は拝観できませんが、代わりに御前立ち(おまえだち)観音が拝顔できます。本堂(観音堂)は昭和33年に再建された鉄筋コンクリート造りで、堂内天井には見事な天井絵「龍図」が描かれています。雷門から一直線に続く仲見世商店街を抜けると宝蔵門、そして本堂へと至る参道は、江戸情緒あふれる門前町の風景そのもの。境内には他にも二天門、五重塔、影向堂(ようごうどう)など多くの堂宇があり、一年を通じ参拝客で賑わいます。
主なご利益: 商売繁盛、家内安全、学業成就、厄除け、病気平癒など、観音菩薩はあらゆる願いを受け入れてくれる慈悲深い仏様として信仰されています。特に観音様は人々の現世利益を広く救うとされ、「苦難から救済」「願望成就」のご利益全般にご神徳があります。金運招福や合格祈願なども含め、多様な願いを託す参拝者が後を絶ちません。また浅草寺は江戸時代から商人・職人町に発展した土地柄、「商売繁盛」「開運招福」の祈願も多く行われています。

混雑予測と回避策: 浅草寺は初詣参拝者数が全国でもトップクラスで、正月三が日で約285万人に達します。特に大晦日深夜から元日未明(12月31日22時〜1月1日3時頃)と元日・2日・3日の10時〜15時頃が混雑のピークです。元旦0時の開堂を待つ参拝客が何万人も詰めかけ、浅草駅前の雷門から仲見世通り、本堂まで人波が途切れません。ピーク時には雷門から本堂のお参りを終えて雷門に戻るまで2〜3時間以上かかることもあります。混雑を避けたい場合は、狙い目は元日早朝4時〜8時頃または元日夜19時以降です。この時間帯はピークよりは多少マシな程度ですが、人出は一日中多いため「少しでもマシ」な時間を狙う感覚で臨みましょう。1月2日・3日なら開堂直後の6:30〜8:00頃の早朝か夕方17時以降が比較的空いています。また、参拝ルートとして仲見世通りが大混雑の場合は、並行する伝法院通りやオレンジ通りなど裏道を利用して宝蔵門付近に出る裏技もあります。浅草寺境内自体も混雑時は一方通行規制が敷かれるので、警備員の案内に従って進みましょう。
御朱印・授与品: 浅草寺では初詣時期でも御朱印は頂けますが、例年大混雑します。特に元日〜三が日は長蛇の列となるため、朝早く並ぶか、どうしても当日を避けたい場合は書き置きの御朱印(半紙に記載済みのもの)を授与してもらう方法もあります。浅草寺の御朱印は中央に力強く「奉拝」の文字、その下に宝印(ご本尊の印)が押される格式あるものです。授与品では、浅草寺名物のおみくじが有名です。浅草寺のおみくじは凶の割合が多いことで知られますが、凶が出ても結ばず持ち帰るのが浅草流とも言われています(ただし一般には境内の結び所に結んでOKです)。他には開運守や学業成就守など各種お守り、雷除けにちなむ雷除守などユニークなお守りもあります。初詣では縁起物の熊手を浅草神社(浅草寺と隣接)で求める人も多いです。
参拝作法・仲見世の歩き方: 雷門をくぐった先から本堂に至る約250mの仲見世通りは、日本で最も古い商店街であり土産物や食べ歩きグルメが並びます。初詣時は混雑で立ち止まることも難しいですが、余裕があれば江戸趣向のお菓子(人形焼、雷おこしなど)を買い歩くのも楽しみの一つです。参拝時は神社とは異なり二礼二拍手は行わず、静かに合掌して祈念します(仏式では拍手は打ちません)。本堂前では手を合わせ、心の中で観音様に日頃の感謝と新年のお願いを伝えましょう。お賽銭を投げ入れる賽銭箱は幅広なので、混雑時はできるだけ左右に散らばって入れるとスムーズです。参拝後、本堂左手にあるお守り所や影向堂でお守り・御朱印を受け、五重塔や二天門も見学してみてください。帰りも仲見世を通りますが、写真撮影は立ち止まらず歩きながらにするなど、後ろに続く人への配慮を忘れずに。どうしてもゆっくり見たい場合は、混雑の少ない日時を改めて訪れるのがおすすめです。

アクセス/駐車情報: 最寄り駅は東武スカイツリーライン「浅草駅」または東京メトロ銀座線「浅草駅」で、雷門まで徒歩すぐです。都営浅草線「浅草駅」、つくばエクスプレス「浅草駅」からも徒歩圏内で、複数路線が利用できます。大晦日〜元旦にかけて東京メトロや都営地下鉄各線は終夜運転を実施しており、浅草駅も夜通し利用可能です。自家用車の場合、浅草周辺は交通規制が敷かれ、雷門通り・浅草通りが歩行者天国化するため進入できません。専用駐車場も浅草寺にはなく、周辺のコインパーキングは三が日非常に高額かつ満車になります。公共交通機関の利用が強く推奨されますが、車の場合は浅草エリア外の駐車場に停めて徒歩または電車で浅草に向かう方法も検討しましょう。
周辺グルメ・観光: 浅草寺周辺はグルメと観光スポットの宝庫です。参拝後の楽しみとして、浅草の老舗グルメをぜひ味わってください。寒い時期に嬉しいのが、雷門近くの浅草寺甘酒茶屋でいただく熱々の甘酒です。門前には300年以上の歴史を持つ甘酒茶屋「舟和本店」もあり、お汁粉や芋ようかんとともに甘酒を提供しています。また浅草と言えば天丼やうなぎも有名で、行列店の天丼「大黒家」や老舗鰻店「色川」などが徒歩圏にあります。観光では浅草神社(浅草寺の隣)に参拝したり、少し歩いて隅田川越しに東京スカイツリーを眺めたり、雷門前から人力車に乗って浅草の街を巡るのも風情があります。初詣の賑わいと下町情緒あふれる浅草観光をセットで楽しめるのが浅草寺の大きな魅力と言えるでしょう。
浅草寺(東京都・台東区)→ 公式サイトはこちら
3. 東京大神宮(東京都・千代田区)

概要: 東京大神宮は明治13年(1880年)、伊勢神宮の遥拝殿(遠く離れて伊勢を拝むための神社)として創建され、「東京のお伊勢さま」とも呼ばれています。当初は日比谷にありましたが関東大震災後に現在地(飯田橋)へ移転しました。日本で初めて神前結婚式を執り行った神社としても知られ、明治天皇のご裁可のもと神前結婚式を創始した歴史があります。そのため「縁結びの神社」として若い女性を中心に人気が高く、境内はさほど広くないながら初詣時は長蛇の列になります。例年三が日で約6万人が参拝するとされ、都内有数の初詣スポットです。
御祭神: 伊勢神宮の遥拝所という由来から、天照皇大神(あまてらすすめおおみかみ)(伊勢神宮内宮の御祭神)と豊受大神(とようけのおおかみ)(伊勢神宮外宮の御祭神)をお祀りしています。さらに倭比賣命(やまとひめのみこと)、天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)、造化の三神といった神々も合祀されており、計5柱の大神様をお祀りする神社です。特に天照皇大神と豊受大神は皇大神宮・豊受大神宮の神霊を分けて祀った格式高い神々で、東京にいながら伊勢神宮に詣でたのと同様のご加護が受けられるとされています。
主なご利益(縁結び ほか): 最大のご利益はなんといっても縁結び・良縁成就です。東京大神宮が神前結婚式発祥ということもあり、「結婚を控えたカップル」や「良いご縁を願う未婚の人」たちの参拝が後を絶ちません。良縁祈願のほかにも、家内安全、商売繁盛、学業成就、健康長寿、厄除開運など一通りのご利益があるとされています。特に縁結び関連では、境内のご神木を写真に収めて待ち受け画面にすると良縁に恵まれるという噂も広まっています。女性の参拝客が非常に多く、可愛らしいデザインの恋みくじや鈴蘭をあしらった縁結び守なども人気です。こうしたことから「東京大神宮にお参りするとすぐ彼氏ができる」「結婚できた」という口コミも後を絶たず、若い女性たちの“恋のパワースポット”となっています。

混雑予測と待ち時間の目安/整理券の有無: 東京大神宮は境内が狭いため、元旦は深夜0時の開門前から長い列が発生し、0時〜4時頃までが最混雑となります。特に元日の日中(11時〜16時頃)も非常に混雑し、時間帯によっては2〜3時間待ちになることもあります。参拝の待機列は近隣の飯田橋駅付近から伸び、警備員の案内で整然と並ぶ形です。整理券の配布は基本的になく、先着順に列で待つ方式です。そのため防寒対策を万全にし、長時間並んでも耐えられる準備が必要です。少しでも待ち時間を短くしたい場合、元旦よりは1月4日以降に初詣に行くか、どうしても三が日に行きたいなら早朝(始発電車が動き出す5〜6時台)を狙うと良いでしょう。実際、始発後の朝8時〜9時頃までは比較的スムーズだったとのクチコミもあります。なお、参拝客が多すぎる場合は境内への入場規制が行われ、一時的に列が止まることもありますので焦らず待ちましょう。
授与品・祈祷: 東京大神宮ではお守りの種類が非常に豊富です。特に有名なのが恋みくじ(可愛らしい和紙人形のおみくじ)と、鈴蘭の花をかたどった縁結び鈴蘭守で、これらは初詣でも飛ぶように授与されています。他にもハート型の絵馬「幸せ鍵守」や、合格祈願の「学業守」、ビジネスマン向けの「仕事守」など、男女問わず手に取りやすいデザインのお守りが揃っています。授与所では列ができても職員さんが手早く対応してくれますが、人気の縁結び守などは品切れになることもあるため早めの時間に受けると安心です。また、神前結婚式創始の神社ということで正式参拝(昇殿参拝)や祈祷を受ける人もいます。東京大神宮では個人の初詣祈願(家内安全や厄除けなど)の受付もあり、初穂料を納めれば神職のご祈祷を受けることが可能です。祈祷を希望する場合、受付で申し込みを行い、控室で順番を待って本殿に案内されます。三が日は大変混雑するため待ち時間が長めですが、神職によるおはらいや祝詞をあげてもらう正式参拝は、特別な一年の始まりの儀式としておすすめです。

アクセス・周辺案内: 最寄り駅はJR中央・総武線「飯田橋駅」(西口徒歩3分)、または地下鉄有楽町線・南北線「飯田橋駅」(B2a出口徒歩5分)、地下鉄東西線・大江戸線「飯田橋駅」(A4出口徒歩5分)と、複数路線が利用可能です。飯田橋駅周辺から神社敷地まで歩いてすぐですが、初詣時は駅周辺が混雑するため、出口付近で警備員の指示に従うようにしましょう。駐車場はありません。車で行く場合、近隣のコインパーキングも満車必至なので公共交通機関が無難です。周辺には東京大神宮と縁の深いスポットとして、徒歩15分ほどにある靖国神社や、飯田橋駅から神楽坂方面に5分ほど歩いた所に鎮座する筑土八幡神社などがあります。初詣のハシゴをするなら、これら近隣の神社も併せて参拝してみてはいかがでしょうか。参拝後は飯田橋・神楽坂エリアで食事や甘味を楽しむのもおすすめです。神楽坂には情緒あるカフェや和菓子店が多く、新年の散策にぴったりでしょう。
東京大神宮(東京都・千代田区)→ 公式サイトはこちら
4. 神田明神(東京都・千代田区)

概要/江戸総鎮守: 神田明神(かんだみょうじん)は1300年近い歴史を持つ東京屈指の古社で、正式名称は神田神社です。天平2年(730年)、出雲の大国主命を勧請して創建されたと伝わり、江戸時代には江戸総鎮守として江戸の町を護りました。徳川家康も江戸入府後に神田明神を篤く崇敬し、以後江戸庶民の信仰も集めるようになります。江戸三大祭りの一つ神田祭を執行する神社として有名で、現在も秋葉原・大手町・日本橋など都心108町会の氏神様です。境内は朱塗りの楼門が華やかで、本殿・拝殿は関東大震災後の昭和9年に再建された壮麗な権現造の社殿です。近年は「ラブライブ!」などアニメとのコラボでも話題となり、若者の参拝も増えています。
御祭神: 神田明神には以下の三柱の神様が祀られています。
- 大己貴命(おおなむちのみこと) – 出雲大社の祭神として知られる大国主命のことで、いわゆる「だいこく様」。縁結び・国造りの神様です。
- 少彦名命(すくなひこなのみこと) – 少彦名命は蛭子神(えびす様)とも同一視され、「えびす様」として商売繁盛の神様です。大己貴命と協力して国造りをしたとされます。
- 平将門命(たいらのまさかどのみこと) – 平安時代の武将・平将門公の御霊です。将門公は関東で新皇と称して乱を起こしましたが、後に怨霊として恐れられ、朝廷が鎮魂のため祀った経緯があります。江戸期以降は将門公を「まさかど様」として崇敬し、勝負運や厄除けの神としてお祀りしています。
この三柱から、縁結び(だいこく様)、商売繁昌(えびす様)、勝負運・厄除け(まさかど様)にご利益があるとされています。関東の神社で怨霊(将門)を祀るのは珍しいですが、将門公は今や江戸の守護神として広く信仰されています。
主なご利益(商売繁盛・勝運 ほか): 神田明神は氏子地域が秋葉原や日本橋などビジネス街を含むため、商売繁盛・仕事運向上のご利益で特に有名です。実際、仕事始めの時期にはスーツ姿のビジネスマンが大勢お参りに訪れます。また上記の祭神から、縁結び(大己貴命)、商売繁昌(少彦名命)、勝負運・必勝祈願(平将門命)などが代表的なご利益です。さらに現代的な特徴として、IT企業の多い秋葉原が氏子という縁からIT・電子機器の安全祈願も行われています。神田明神ではユニークなIT情報安全守護のお守り(ICカード型・PC用ステッカー型のセット)を頒布しており、パソコンやスマホに貼ればウイルス感染や情報漏洩を防いでくれると評判です。ITエンジニアやクリエイターから「パソコンが壊れないように」と人気を博し、今や神田明神の新たな名物となっています。他にも健康長寿、家内安全、交通安全など幅広い御神徳を備え、昔から「困ったときの神田明神」と言われる頼もしい神様です。

混雑予測と回避策(ルート選び): 神田明神の初詣人出は公式には公表されていませんが、例年数十万人規模と推測され、特に元日〜三が日の日中はかなり混雑します。ただ都内有数の大社にしては境内が広めで回転も早く、数時間待ちの行列になることは稀です。ピークは元旦の10〜15時頃で、長くても参拝まで30分〜1時間程度でしょう。混雑を避けるには、元日夜〜2日早朝が狙い目です。元旦の夜間や1月2日・3日の早朝は人出も落ち着き、ゆったり参拝できます。またルート選びもポイントです。最寄り駅は御茶ノ水駅(聖橋口から徒歩5分)や秋葉原駅(電気街口から徒歩7分)ですが、御茶ノ水駅方面の表参道石段は混雑が激しい場合があります。その際は、秋葉原側の裏参道(男坂・女坂方面)から境内に入るルートが比較的スムーズです。特に秋葉原から神社南側に伸びる緩やかな坂道(男坂)にはエレベーターも設置されており、体力に不安のある方はこちらを利用すると良いでしょう(混雑時は使用制限あり)。参拝後、退出時も表参道階段が混み合う場合は裏手の坂道を下りて外神田方面に抜けるルートがおすすめです。境内は比較的開放的ですが、甘酒などを振る舞う休憩所付近は人が滞留しやすいので注意してください。
授与品・IT守護関連: 神田明神の授与品はバラエティ豊かで、その数約60種類以上とも言われます。中でも注目は前述のIT情報安全守護。基板風のデザインが印象的で、ステッカー状のお守りをパソコン等に貼るだけという手軽さもあり飛ぶように授与されています。他にも、七福神の恵比寿様・大黒様にちなみ商売繁盛御守やえびす様ストラップ、将門公由来の勝守(かちまもり)、かわいいものではあにまる守(動物型のお守り)などが人気です。お札では家内安全・商売繁昌など各種神札があり、新年に合わせて古いお札やお守りを返納し、新しいお札を受ける方も多いです。境内の神札所では破魔矢や熊手も扱っています。特に熊手は、浅草の酉の市ほど大規模ではないものの、小ぶりで飾りつきのものがあり商売繁盛の縁起物として求める人もいます。また、お正月限定の干支絵馬(2026年は午〈うま〉年)も記念に人気です。御朱印については初詣期間中は書き手不足のため限定書置き御朱印を配布する年もあります。令和最新版の御朱印は社殿の姿が金箔押しされた豪華なもので、一枚500円で頂けますが、三が日は頒布状況を神社HPで確認するとよいでしょう。

アクセス・周辺: アクセスはJR中央線・総武線「御茶ノ水駅」(徒歩5分)、東京メトロ丸ノ内線「御茶ノ水駅」(徒歩7分)、東京メトロ千代田線「新御茶ノ水駅」(徒歩5分)、JR山手線他「秋葉原駅」(徒歩7分)など多数の駅が利用可能です。都心の便利な立地で、神田・秋葉原エリアのビル群の中にあります。駐車場は神社併設の有料駐車場が少しありますが、初詣時は閉鎖または関係者用となるため使えません。周辺道路も混雑・駐車禁止なので公共交通で向かいましょう。周辺スポットとしては、すぐ隣に江戸時代創業の甘味処「天野屋」があります。ここは甘酒が名物で、初詣客向けに店頭で一杯300円ほどの甘酒を販売しており行列ができます。寒い中参拝した後の温かい甘酒は格別です。また秋葉原が近いので、参拝後に最新の電化製品の初売りをのぞいたり、メイド喫茶で一風変わったお正月気分を味わったりという人もいるようです。御茶ノ水方面にはニコライ堂や湯島聖堂など歴史的建造物もあり、散策にも事欠きません。歴史好きの方は徒歩10分の湯島天神(学問の神様)への参拝もセットにすると、新年の御利益巡りが充実するでしょう。
神田明神(東京都・千代田区)→ 公式サイトはこちら
5. 日枝神社(東京都・千代田区)

概要:日枝神社(ひえじんじゃ)は永田町(赤坂)に鎮座し、江戸城(現在の皇居)の守護神として古くから崇敬されてきた神社です。創建年代は不詳ですが、文明10年(1478年)に太田道灌が江戸城内に京都・比叡山の山王権現を勧請したのが始まりとされます。その後、江戸城外堀の山王台(現在地)に移され、徳川幕府から「江戸城鎮護」の社として篤く信仰されました。山王祭は神田祭・深川祭と並ぶ江戸三大祭として江戸の賑わいを象徴しました。日枝神社は社殿の左右に猿の像が鎮座し、「山王さん」の愛称でも親しまれています。現在の社殿は昭和40年に造営された鉄筋コンクリートの近代的な造りで、鮮やかな朱色が青空に映える姿が印象的です。
御祭神: 主祭神は大山咋神(おおやまくいのかみ)です。大山咋神は京都・比叡山の地主神であり、山王権現(日吉大社)の祭神として知られます。別名を山王様・日吉様とも呼び、山の神・農耕神として信仰されてきました。相殿には国常立尊(くにのとこたちのみこと)などがお祀りされています。江戸期には徳川家康公を東照大権現として合祀した時期もありましたが、明治の神仏分離で主祭神は大山咋神に戻されています。神の使いは猿とされ、境内の至る所に猿のモチーフが見られます。特に夫婦の神猿像(まさるぞう)は「魔が去る(まがさる)」に通じることから災難除け・厄除けのシンボルとなっています。
主なご利益(厄除け・家内安全): 日枝神社は厄除けの神様として有名です。先述の猿=「魔が去る」の語呂合わせもあり、古くから魔除け・災難除去のご利益を求める人々の信仰を集めてきました。江戸城の守護という性質上、国家安泰・天下泰平など大きなご利益もありますが、一般には厄除けと家内安全が二大祈願といえます。他にも商売繁盛、安産祈願、交通安全など幅広くご神徳があるとされます。とりわけ安産については、神猿夫婦像が親子円満・子宝の象徴でもあることから、安産祈願に訪れる方も多いです。実際、日枝神社では戌の日に安産祈祷を受け付けており、腹帯を持参して安産祈願する妊婦さんの姿も見られます。家内安全では、皇居(江戸城)守護として代々の将軍や今も皇室の産土神的存在であることから、一家の安全・繁栄に強いご利益があると信じられています。

混雑予測と回避策(エスカレーター利用可否など): 日枝神社の初詣参拝者数は約10万人程度とも言われ、明治神宮などに比べれば多くありません。しかし都市部に位置しアクセスも良いため、元日午前中〜昼過ぎは混雑します。拝殿前に30分ほどの列ができることもありますが、比較的スムーズに流れるでしょう。回避策としては、やはり元日夕方以降か1月2日・3日の早朝が良いです。なお、日枝神社は丘の上に社殿があるため、通常は参道の階段を登りますが、隣接の山王パークタワー脇にエスカレーターが設置されており、高齢者やベビーカーでも参拝しやすくなっています。初詣期間中もエスカレーターは基本稼働していますが、混雑時は一時停止する可能性もあるので注意が必要です(安全確保のためエスカレーター入口で人数制限を行う場合があります)。階段が困難な方はエスカレーターまたはエレベーターを利用してください。エレベーターはありませんが、車椅子の場合は警備の方に申し出れば通用口から社殿近くまで案内してもらえます。ルート選びとしては、溜池山王駅側の門(西参道)からエスカレーターを使って上がるのが楽ですが、あえて裏手(赤坂駅側)の表参道をゆっくり登りながら山王鳥居や猿像を見ていくのも風情があります。
授与品・千本鳥居の見どころ: 日枝神社の授与品では、魔除けの猿にちなむ猿のお守りが人気です。木彫りの可愛い「まさる守」や、猿の絵柄がついた安産守など、ここでしか手に入らない授与品が揃います。また正月限定の干支絵馬(2026年は馬の絵馬)や破魔矢も授与所で頒布されています。特に干支絵馬は毎年デザインが凝っており、コレクションする参拝者もいます。神社オリジナルのおみくじには「猿みくじ」という小さな土鈴のお猿さん付きみくじもあり、お土産としても喜ばれます。さらに日枝神社の見どころとして、境内奥にある稲荷神社の千本鳥居があります。朱色の小さな鳥居が連なってトンネル状になっており、京都の伏見稲荷大社のような光景が楽しめます。初詣客で賑わう本殿エリアから少し離れているため、この稲荷参道は比較的静かに参拝できます。写真映えもするスポットなので、初詣記念にぜひ訪れてみてください。

アクセス・周辺: 最寄り駅は東京メトロ千代田線「赤坂駅」(徒歩5分、2番出口)や南北線・銀座線「溜池山王駅」(徒歩3分、7番出口)です。どちらの駅からも案内表示があり迷わず行けます。溜池山王駅側からは前述のエスカレーターで境内に入れます。駐車場は神社併設のものが若干台数ありますが、正月は関係者以外利用できない場合があります。周辺のコインパーキングもオフィス街ゆえ休日は閉鎖のところも多いです。公共交通での参拝を推奨します。周辺スポットとしては、日枝神社の裏手に国会議事堂や首相官邸が位置しており、政治の中心地ならではの景色が広がります。また徒歩圏に赤坂サカス(商業施設)や永田町のホテル群があり、初詣のついでに立ち寄る人もいます。少し歩けば虎屋本店(和菓子の老舗)の喫茶で一服することもできます。正月限定で赤坂エリアの飲食店が振る舞い酒や特別メニューを出すこともあるので、チェックしてみると良いでしょう。日枝神社は都市の中心にありながら静謐な空気を湛える格式高い神社です。参拝すれば気持ちが引き締まり、新年の良いスタートが切れることでしょう。
日枝神社(東京都・千代田区)→ 公式サイトはこちら
6. 川崎大師 平間寺(神奈川県・川崎市)

概要: 川崎大師(かわさきだいし)は、正式名称を金剛山金乗院 平間寺(へいけんじ)といい、高野山真言宗の大本山です。1128年に平間兼乗という武士が建立した古刹で、平安時代の高僧・弘法大師空海を本尊とすることから川崎大師の通称で親しまれています。毎年初詣の参拝者数が全国でもトップクラス(約300万人)で、「厄除けのお大師さま」として有名です。成田山・西新井大師とともに関東三大師の一つに数えられ、江戸時代から庶民の厄除け祈願の名所でした。境内は広大で、荘厳な本堂や五重塔、八角形の大山門など見どころが多数。正月には多くの屋台が並び、門前町も大賑わいとなります。
本尊: 川崎大師のご本尊は厄除弘法大師(やくよけこうぼうだいし)と称されます。つまり真言宗の開祖・弘法大師空海の像で、特に厄除けにご利益があると信じられています。寺伝によれば、開創者の平間兼乗が網で漁をしていたところ空海作と伝わる大師像を引き上げ、それを安置したのが始まりとされます。現在の本尊は秘仏で直接拝むことはできませんが、元日には御影供(みえいく)といって空海の御影(みすがた)を本堂に奉安し、参拝者はその御影を拝むことができます。また、川崎大師は弘法大師信仰の寺院ですので、お大師様自体を神仏習合的に「ご本尊」として扱っています。このため、初詣の時期には「南無大師遍照金剛」の御真言が境内に響き渡り、全国から集う信徒で賑わいます。
主なご利益(厄除け・交通安全): 川崎大師といえば何といっても厄除けです。厄年の人はもちろん、それ以外の人も新年に厄を落として福を呼び込もうと、多くの方が厄除け祈願に訪れます。公式にも「厄除け大師」としてPRしており、そのご利益は絶大とされています。併せて家内安全、病気平癒、心願成就、健康長寿などの祈願も盛んです。もう一つ特徴的なのが交通安全祈願で、境内で車両(自動車・バイク)のご祈祷を受け付けています。お正月には愛車に交通安全ステッカーを貼ったドライバーが多く参拝に訪れ、専用駐車場でお祓いを受けています(※初詣期間中は大混雑のため日時をずらすのが無難です)。その他、商売繁盛や学業成就などあらゆる願いにご利益があるとされ、正月の川崎大師はまさに万人の願いで溢れています。

混雑予測・交通規制情報の見方: 川崎大師は正月三が日で約300万人、1月中(松の内)で約450万人が参拝に訪れると言われます。それだけに混雑は避けられず、特に元日と1月2日・3日の10時〜17時頃は身動きが取れないほどです。大本堂で参拝するまで数時間並ぶこともあり、境内への入場規制もしょっちゅう行われます。混雑ピークは大晦日深夜〜元日3時頃および元日午前〜夕方で、この間は境内も周辺道路も大混雑です。比較的空いていると言えるのは元日の18時以降や2日・3日の早朝7時〜9時、または1月4日以降の平日です。どうしても三が日に参拝したい場合、早朝5時〜7時を狙うと良いでしょう。交通規制は毎年細かく実施され、川崎大師周辺の主要道路は歩行者天国や一方通行になります。川崎市や神奈川県警のウェブサイトで「川崎大師 初詣 交通規制図」が公開されるので事前に確認してください。特に産業道路・大師駅周辺は車両通行止めになります。また、東門前交差点から大師参道にかけて露店が並び歩行者のみとなります。電車も京急線は大晦日〜元旦に終夜運転を実施し、本数も増発されます。公式HPや駅構内のポスターで臨時列車の時刻をチェックしましょう。混雑当日は川崎大師駅があまりに混むと入場規制もあり得ますので、時間に余裕を持って移動してください。
御護摩・授与品: 川崎大師で正月に欠かせないのが御護摩祈祷です。本堂では元日0時から一日中途切れることなく護摩が焚かれ、弘法大師ご真筆の陀羅尼を読誦しながら炎の中に諸願を書いた護摩木を投じます。その荘厳な炎と読経の光景は圧巻で、厄を焼き尽くし願いを叶えてくれるとされます。一般参拝者も祈祷料を納めて護摩祈祷に参加可能で、祈願後にはお札や御守、だるまなどが授与されます。川崎大師の授与品として有名なのは「厄除けかなまら御守」などユニークなお守りですが、初詣ではシンプルな厄除守が一番人気です。開運厄除の文字が入ったお守りは色違いで数種あり、多くの方が買い求めます。他にも交通安全お守り、合格祈願鉛筆、健康お守りなど種類豊富です。おみくじも大師らしく「大師おみくじ」と呼ばれる独自様式で、結果に応じてお大師様の教えが書かれています。門前では張り子の虎やダルマも売られており、新年の縁起物として求める人で賑わいます。特にダルマ市は毎年1月3日の「初大師祭」前後に開催され、境内に大小様々なダルマが並ぶ光景は壮観です。

アクセス(臨時列車・バス動向の確認ポイント)・周辺: 電車の場合、最寄りは京急大師線「川崎大師駅」で、参道を徒歩8分ほど進むと大本堂に到着します。品川駅から京急線で約30分、京急川崎駅で大師線に乗り換えて終点です。大晦日〜元旦にかけて京急線(本線・大師線)は夜通し運転があり、約5〜10分間隔で電車が来ます。車の場合は極力避けるべきですが、どうしてもという場合、首都高横羽線・大師出入口から産業道路へ。周辺の有料駐車場は川崎大師公園地下駐車場などありますが、正月は満車で近づくことも困難です。公式HPで案内されている臨時駐車場(大師河原干潟周辺など)が設けられる年もあるのでチェックしましょう。ただ渋滞で駐車場待ちに数時間を要することもあるため、公共交通か臨時バスの利用を強くおすすめします。なお、初詣期間は川崎駅から川崎大師への直行臨時バスが運行される年もあります(川崎市バスが例年1月1〜3日に運行)。これも事前に時刻表を確認すると良いでしょう。周辺は仲見世通りに飴切りの実演で有名な「とんとこ飴」屋や、久寿餅(くずもち)の老舗「住吉」など名物店が並びます。参拝後は名物のくず餅や厄除け饅頭を味わってみてください。少し歩くと川崎大師公園があり、正月には屋台が並ぶことも。また大師線の東門前駅近くには「大師天然温泉」もあり、冷えた体を温めるのに立ち寄るのもいいでしょう。初詣の喧騒と下町の人情味あふれる雰囲気を併せ持つ川崎大師は、新年に活気をもらいたい方にぴったりのスポットです。
川崎大師 平間寺(神奈川県・川崎市)→ 公式サイトはこちら
7. 鶴岡八幡宮(神奈川県・鎌倉市)

概要: 鶴岡八幡宮(つるがおかはちまんぐう)は、古都鎌倉を代表する神社で、源頼朝が由比ヶ浜から現在地に遷座・造営した武家の守護神です。創建は康平6年(1063年)、源頼義が京都岩清水八幡宮を勧請したのに始まり、その曾孫の頼朝が治承4年(1180年)に現在の地(小林山)に社殿を造営しました。以来、鎌倉幕府の宗社(そうしゃ:政府守護の社)として歴代将軍や武士に篤く信仰され、鎌倉武士の精神的支柱となりました。幕府滅亡後も関東一円の総鎮守として尊崇を集め、現在も全国の八幡宮の中でも指折りの参拝者数を誇ります。境内は段葛(参道)から一直線に伸び、下拝殿、源平池、舞殿、大石段、上宮(本宮)へと続く美しい配置で、鎌倉観光のハイライトです。
御祭神: 主祭神は第15代応神天皇(おうじんてんのう)で、八幡神(誉田別命)として武運の神様です。相殿には神功皇后(じんぐうこうごう)と比売神(ひめがみ)を祀ります。八幡大神は源氏の氏神であり、源頼朝は自らを八幡大菩薩の御加護で天下を取ったと信じ、鶴岡八幡宮を熱心に造営しました。また、摂社として源頼朝・実朝を祀る白旗神社なども境内にあります。源平池に浮かぶ旗上弁財天社では、市杵島姫命(弁財天)を祀り、芸能・財福のご利益で知られます。このように、鶴岡八幡宮は武運長久の神であると同時に、鎌倉の守護神として国家鎮護や文化興隆の面も持ち合わせています。
主なご利益(勝運・家内安全): 鶴岡八幡宮のご利益はまず勝負運・必勝祈願(勝運)が挙げられます。源頼朝にあやかり、勝負事や受験・就職などここ一番の願掛けに訪れる人も多いです。また家内安全、商売繁盛、交通安全、厄除け、必勝、安産祈願、家運隆昌など、多岐にわたります。鎌倉武士の守護神らしく武運長久(スポーツでの勝利や仕事での成功を含む)に強いとされる一方、家族の幸せや商売繁盛など庶民的な願いにも応えてくれます。毎年初詣では、受験合格を祈願する学生や交通安全の御守を求めるドライバーも多く見られます。特に鶴岡八幡宮は開運厄除けにも定評があり、境内で受けられる厄除け祈祷は人気です。さらに、境内の旗上弁財天社で祀る弁財天は芸事上達や金運のご利益もあるため、音楽や芸術関係者が訪れることもあります。総じて「鎌倉の八幡様」にお参りすればあらゆる願いが叶うとの信仰が根強いです。

混雑予測と小町通り回避ルート: 初詣時の鶴岡八幡宮は神奈川県内で最多クラスの参拝者数(正月三が日で約250万人)を誇り、鎌倉駅から伸びる若宮大路・小町通りが人で埋め尽くされます。特に元日10時〜15時は参拝列が鶴岡八幡宮の大石段下まで連なり、1時間以上待つこともあります。鎌倉駅から境内へ向かう道で最も混雑するのは小町通りです。狭い商店街に観光客も押し寄せ、身動きが取れないほどになるため、混雑期は避けましょう。回避ルートとしては、鎌倉駅東口を出たら若宮大路の段葛(中央の歩道)を歩くか、若宮大路の左側の歩道を歩くのが比較的スムーズです。また、江ノ電の鎌倉高校前駅寄りから大町方面へ抜けて、裏道経由で鶴岡八幡宮の裏手に出るルートもあります。境内自体も人で溢れますが、八幡宮は広いので流れは悪くありません。おすすめは元日夕方以降か2日・3日の早朝に行くことです。夜間はライトアップされた社殿が幻想的で、人出も落ち着くためゆっくり参拝できます。ただし鎌倉駅からの帰り電車が混むので時間差をつけると良いでしょう。なお、正月の鎌倉は車両進入禁止エリアが多く駐車は困難なので、公共交通でのアクセスが鉄則です。
授与品・舞殿の見どころ: 鶴岡八幡宮の授与品では、源氏ゆかりらしく勝守(かちまもり)という必勝祈願のお守りが人気です。白地に赤い勝の文字が染め抜かれ、受験や競技の勝利を願う方に好まれます。他にも八幡守(縁起の良い八の字が入ったお守り)、交通安全守、安産守などオーソドックスなお守りが揃います。新年限定の干支守や縁起物セットもあり、三が日は次々と授与されていきます。お札類では厄除け開運木札がよく求められます。また八幡宮ならではのおみくじとして、鳩(八幡神の使い)を象った鳩みくじが可愛いと評判です。小さな鳩の土人形におみくじがついており、お土産に持ち帰る人も多いです。境内の見どころとしては、拝殿手前にある舞殿(舞楽殿)が挙げられます。源頼朝の妻・政子が安産を祈願した場所とも伝わるこの舞殿では、正月三が日に雅楽や巫女舞など様々な神事・芸能が奉納されます。運が良ければ、新春の雅楽演奏や祝舞を無料で鑑賞できますので、参拝待ちの間にチェックしてみましょう。また、源平池にかかる太鼓橋から眺める初春の池や、源平それぞれにちなんだ紅白の蓮池なども風情があります。人混みを避けつつ、鎌倉の歴史ある社の風雅を楽しんでください。

アクセス(鎌倉駅からの徒歩動線)・周辺: 最寄りはJR横須賀線「鎌倉駅」で、東口から若宮大路をまっすぐ徒歩10分です。駅から鶴岡八幡宮までは平坦な道のりで、段葛の中央歩道は初詣期間は基本立ち入り禁止(一部時間帯開放の場合あり)なので、車道脇の歩道を歩きます。小町通りは混雑時一方通行規制になる可能性があり、係員の指示に従ってください。車で鎌倉に来るのは、正月は極めて困難です。市内全域で大渋滞となり、駐車場も満車です。江ノ電などもフル活用して公共交通でアクセスしましょう。周辺には小町通りの土産物屋・食べ歩きグルメ、由比ヶ浜方面の初日の出スポット、銭洗弁天(宇賀福神社)や建長寺・長谷寺など他の寺社も多くあります。初詣で鎌倉を訪れたら、八幡宮だけでなく鎌倉七福神めぐりをして福を集める人もいます。鎌倉は街全体が観光地なので、参拝後はカフェで休憩したり、駅前の甘味処「こまち茶屋」でお汁粉をいただいたりと散策を楽しめます。なお、鶴岡八幡宮の周囲には飲食できるスペースが限られるため、混雑時はペットボトル飲料などを持参すると良いでしょう。鎌倉の澄んだ冬空の下で歴史と風情に触れる初詣は、きっと心に残る新年のひとときとなるはずです。
鶴岡八幡宮(神奈川県・鎌倉市)→ 公式サイトはこちら
8. 武蔵一宮 氷川神社(埼玉県・さいたま市)

概要: 武蔵一宮 氷川神社(むさしいちのみや ひかわじんじゃ)は、埼玉県さいたま市大宮区にある武蔵国の一之宮です。今から約2400年前の創建と伝わり、関東でも屈指の古社です。首都圏に約280社ある氷川神社の総本社で、昔から武蔵国(今の東京・埼玉・神奈川一部)の総鎮守として崇敬されてきました。江戸時代には幕府からも信仰され、川越や東京赤坂の日枝神社も元は氷川神社系列です。境内は敷地面積約36,000坪にも及び、うっそうとした森と長大な参道が特徴です。特に大宮駅東口から続く2kmのケヤキ並木の参道は有名で、初詣にはこの参道を多くの参拝客が行き交います。「大宮」の地名も氷川神社の“大いなる宮居”に由来するとされ、まさに地域の象徴的存在です。
御祭神: 主祭神は素戔嗚尊(すさのおのみこと)で、ヤマタノオロチ退治伝説などで知られる勇猛な神様です。素戔嗚尊は疫病退散や厄除けの神として信仰されます。配祀神として妻の奇稲田姫命(くしなだひめのみこと)と、その父の脚摩乳命(あしなづちのみこと)、母の手摩乳命(てなづちのみこと)も祀られています。これら4柱はヤマタノオロチ神話に登場する家族神で、素戔嗚尊が奇稲田姫を救うため両親と協力した縁から一家で祀られている形です。ゆえに氷川神社は夫婦和合・家内安全の御神徳も篤いとされます。また、素戔嗚尊は出雲系の神でもあるため、縁結びの力も持つとも信じられています。広大な境内には他に冨士社や稲荷社など摂末社も多数あり、それぞれの神様も祀られています。
主なご利益(家内安全・厄除け): 氷川神社は厄除けと家内安全が二大ご利益です。御祭神・素戔嗚尊が厄災を祓う神であることから、古くより疫病除け・厄除けを祈願する参拝者が多く、近年も初詣では厄年の人がこぞって訪れます。あわせて家族4柱を祀ることから家庭円満の神としても厚く信仰されています。実際、埼玉では安産・家内安全祈願といえば氷川神社というほどで、初宮参り(赤ちゃんのお宮参り)にも利用されます。他に商売繁盛、交通安全、縁結び、学業成就なども一通りご利益があります。特に縁結びについては、境内末社に出雲系の神を祀る「門客人神社(もんかくじん)」があり、縁結びのパワースポットとして知られています。また、ご祭神の勇猛さから勝負運を求める人もいます。さらに近年は武蔵一宮氷川神社・東京大神宮・千葉神社を「関東三大縁結び神社」として巡るプランも紹介されたりと、縁結びスポットとしても注目を集めています。総じて、旧武蔵国全域の人々から「なんでも叶えてくれる頼もしい大宮様」として慕われています。

混雑予測と参道の歩き方: 初詣時、氷川神社は200万人超の参拝客で賑わい、全国でもトップ10に入る人出になります。特に大晦日23時〜元日2時頃と元日の10時〜17時頃が混雑のピークです。神社境内だけでなく、2kmの参道が人で埋まり、大宮駅から氷川参道への道も長蛇の列になります。ピーク時には参拝まで2時間以上並ぶこともあります。混雑回避のコツとしては、元日なら明け方4時〜8時や夕方17時以降が比較的空いています。また、いっそのこと1月4日以降に日をずらすと驚くほど穏やかに参拝できます。参道の歩き方ですが、氷川参道は幅広く途中に中山道を横断する箇所もあるため、人の流れに合わせて左側通行を心がけましょう。大宮駅方面から歩く場合、途中で列が停滞したら、参道脇の平行する道路(氷川参道と並走する市道)が空いていればそちらに移るのも手です。実際の口コミでも「大宮駅側からの表参道ルートは激混みなので、一旦脇道に出て大宮公園側から裏門に回った」との声があります。境内では警備スタッフが3箇所(舞殿脇、楼門前、神橋付近)で参拝者数を調整しながら安全確保しています。誘導に従ってゆっくり進みましょう。広い境内でも夜間は足元が暗いので、スマホライトなどで足下を照らしつつ歩くと安心です。
授与品・御朱印: 氷川神社の御守で特に有名なのは、その名も氷川大宮守。鮮やかな赤い布地に「武蔵國一之宮 氷川大宮」の文字が織り込まれたオーソドックスなお守りで、万能のご利益があるとされます。他にも八咫烏守(交通安全)やえんむすびまもり(縁結び、鈴付き)など多数あり、初詣では多くの人が複数のお守りを求めます。干支ものでは絵馬や土鈴が人気で、2026年の午年には白馬をかたどった土鈴が限定授与されるでしょう。御朱印は通常「氷川神社」の毛筆朱印がいただけますが、初詣期間は御朱印は停止となり、代わりに日付入りの印刷済み御朱印を配布することがあります(近年感染症対策も兼ねて書置き対応の場合あり)。それでも行列になりますので御朱印目当ての方は時期をずらす方が無難です。なお、氷川神社では年越大祓や元旦祭など神事も多く執り行われます。三が日は境内で巫女神楽が奉納されたり、出店も出ますので、授与品購入の待ち時間も飽きずに過ごせるでしょう。

アクセス(大宮駅から)・周辺: JR各線・東武野田線「大宮駅」東口から氷川神社までは約2km(徒歩20〜30分)あります。初詣時は駅から臨時シャトルバスが出る年もありますが、道路渋滞で歩いた方が早い場合もあります。徒歩の場合、大宮駅を出て駅前大通りを直進し、途中で左折して氷川参道入口の大鳥居を目指します(案内看板多数あり)。参道に入ってから15分ほど歩くと神社楼門に到着します。車の場合、氷川神社専用の無料駐車場(約300台)がありますが、正月三が日は利用不可です。また周辺道路は交通規制で通行禁止区域があり、特に元日は大宮公園周辺も渋滞で麻痺します。公共交通機関を推奨します。どうしても車なら、1月1〜3日は周辺のさいたま新都心駅付近に停めて電車で大宮駅に出るなど、工夫が必要でしょう。周辺スポットとしては、隣接する大宮公園があります。初詣時期には屋台が並び、特に1月1日は公園内の「さいたま市宇宙劇場」で初日の出イベントなども行われます。また大宮公園内には動物園(小動物園)や小さな児童遊園地もあり、子連れで参拝した際の散策先にぴったりです。さらに氷川神社参道途中にある氷川だんご屋では名物の焼き団子や甘酒が頂け、休憩スポットとして人気です。参拝前後に甘酒で体を温めつつ、埼玉屈指のパワースポットである大宮の杜の空気を堪能してください。
武蔵一宮 氷川神社(埼玉県・さいたま市)→ 公式サイトはこちら
9. 成田山新勝寺(千葉県・成田市)

概要: 成田山新勝寺(なりたさんしんしょうじ)は、千葉県成田市にある真言宗智山派の大本山です。平将門の乱平定を祈願するため天慶3年(940年)に寛朝僧正が開山しました。開基(創立の由来)は、平将門の乱鎮圧の祈祷に際し、弘法大師が自ら刻んだと伝わる不動明王をこの地に安置したことです。乱平定後、朱雀天皇より「新勝寺」の寺号が授けられました。江戸時代には歌舞伎役者・初代市川團十郎が篤く信仰し、成田山のお不動さまの霊験を芝居で広めたことで庶民の参詣が急増しました。以来、成田山は歌舞伎と縁が深く、市川團十郎家は「成田屋」の屋号を名乗っています。現在では初詣の参拝者数が全国2位になるほど人気で、年間参詣客は1000万人超とも言われる、日本屈指の霊場です。
本尊: 成田山のご本尊は不動明王です。弘法大師空海作と伝わる霊験あらたかな不動明王で、成田山では「成田山のお不動さま」と呼ばれ親しまれています。不動明王は大日如来の化身で、炎を背負った忿怒相の姿で表され、あらゆる災厄や迷いを断ち切る強力な仏様です。新勝寺の不動明王は秘仏ですが、毎年お正月三が日にはその分身とされる不動明王御影(みえい)が本堂に祀られ参拝者に開扉されます。成田山の信仰はこの不動明王を中心に発展し、江戸期には「成田詣で」が流行するほど人々に親しまれました。現在も成田山新勝寺は関東三大不動の筆頭格であり、不動明王のご加護を求める参詣者が絶えません。
主なご利益(厄除け・開運・交通安全): 成田山のご利益は幅広いですが、特に厄除け・災難消除と開運成就が筆頭です。お不動さまは人々の煩悩や厄を焼き尽くし、代わりに福徳を授けてくれるとされるため、厄年の人や心機一転を図りたい人が多く参拝します。実際、正月三が日の初詣人出は毎年300万人以上で、仏教寺院としては全国1位を誇ります。その他のご利益では、商売繁盛、家内安全、交通安全、学業成就、病気平癒など、あらゆる願いをかなえるお不動様の御力が信じられています。特に交通安全については、成田山は全国にある成田山分院(横浜・大阪など)で車両祈願も盛んなことから、初詣でも交通安全祈願のお札を求める参拝者が多いです。また、新勝寺は歌舞伎役者が信仰した経緯もあり、芸道精進や芸能上達の祈願で訪れる芸能関係者もいます。総じて「どんな願いも叶えてくれる関東最強の不動尊」として、新年にこぞって参拝する人々から厚い信仰を集めています。

混雑予測と表参道の回避動線: 成田山新勝寺の初詣客数は明治神宮に次ぐ全国2位(例年約305万人)とされ、成田駅から新勝寺までの約800mの表参道も大混雑します。特に元日~1月3日の10時~16時頃は参道も境内もぎゅうぎゅう詰めで、参拝に2~3時間要することもあります。参道は両脇に土産物・飲食店が並ぶ石畳の坂道ですが、混雑時は店を見る余裕も無いほどです。回避動線として、JR/京成成田駅から表参道ではなく成田山裏参道を利用する方法があります。駅東口から成田山方面へは表参道と並行する道が何本かあり、例えば成田山門前の交差点(大鳥居前)に裏道経由で出ることが可能です。また、成田駅からあえて成田山公園側に迂回し、公園経由で境内に入る人もいます(公園は境内西側に隣接)。さらに、元日は成田山への道路が交通規制されるため、駅からの有料シャトルバスも運行されますが渋滞に巻き込まれることも。よって電車+徒歩が基本となります。混雑ピークを避けるには、元日の早朝6時~8時または夕方18時以降が狙い目です。2日・3日なら朝6:30~8:00か夜17時以降が比較的余裕があります。どうしても日中に参拝する場合、表参道の混雑が辛ければ途中から脇道へそれる勇気も必要でしょう。
御護摩・授与品: 成田山と言えば有名なのが本堂での御護摩祈祷です。初詣では1日に数十座もの護摩が焚かれ、堂内は大勢の参拝者で埋め尽くされます。希望者は護摩木に願いを書いて祈祷を申し込み、住職らが炎の中に護摩木を投じて諸願成就を祈ります。その際、勢いよく立ち上る炎と太鼓・法螺貝の音は圧巻で、お不動さまの力強さを体感できるでしょう。護摩祈祷を受けるとお札やお守りが授与されます。成田山の授与品として人気なのは、開運のご利益があるお守り「開運厄除守」です。紺地に金糸で梵字が織り込まれた格調高いお守りで、多くの方が初詣に際に新調していきます。他にも交通安全お守り、学業成就の合格守、仕事運向上の出世守など豊富です。おみくじも成田山オリジナルで、和紙人形付きの「招福おみくじ」などがあります。縁起物では破魔矢や干支置物が人気で、特に干支の土鈴や置物は毎年コレクションする人もいるほど好評です。成田山新勝寺は初詣参拝者が多い分、授与品売場も複数設置され、境内各所でお守りや縁起物を頒布しています。ただしどこも長蛇の列なので、暖を取りつつ気長に並びましょう。

アクセス(成田空港方面から)・周辺: JR成田駅または京成成田駅が最寄りで、そこから表参道を徒歩10分です。成田空港から直接向かう場合、京成本線で京成成田駅へ約10分、JR成田線で成田駅へ約15分です。空港からのアクセスの良さもあり、外国人観光客にも人気です。大晦日深夜~元旦にかけて京成線・JR線とも終夜運転または延長運転があります(京成は特急成田行き増発等、JRも我孫子方面から臨時列車あり)。車の場合、東関東道・新空港道を経由し成田ICから国道51号へ。ですが正月三が日は成田市街が全面的に交通規制され、一般車両は成田山周辺に入れません。臨時駐車場が郊外に設けられ、そこからシャトルバスが出る年もあります。事前に成田市観光協会等の情報を確認しましょう。周辺には約800mの門前町(表参道)に老舗のうなぎ屋や甘味処が軒を連ねます。成田山名物といえば米屋の羊羹や栗羊羹、またうなぎの蒲焼きは是非味わいたい逸品です。初詣に訪れた人は行列必至の「川豊」などでうな重を堪能したり、参道のせんべい店や酒饅頭を食べ歩きするのがお約束になっています。参道途中には成田山最古の建物「薬師堂」や、江戸時代の旅籠の面影を残す店舗もあり、歴史を感じながら進めます。また境内奥には広大な成田山公園が広がり、池や滝が配置された美しい日本庭園になっています。混雑に疲れたら公園内でひと息つくのもおすすめです。新春の澄んだ空気の中、成田山で厄を払い福を呼び込み、名物グルメに舌鼓を打てば、心身ともに清々しい一年のスタートとなることでしょう。
成田山新勝寺(千葉県・成田市)→ 公式サイトはこちら
10. 鹿島神宮(茨城県・鹿嶋市)

概要: 鹿島神宮(かしまじんぐう)は、茨城県鹿嶋市にある常陸国一之宮で、日本屈指の古社です。創建は神武天皇元年(紀元前660年)とも伝わり、2670年以上の歴史があるとされます。古代より東国の守護神として朝廷からも崇敬され、奈良時代には東国鎮護の要として「鹿島立ち」(武士が出陣前に鹿島神宮で戦勝祈願する風習)が生まれました。藤原氏や武将たちからも篤く信仰され、江戸時代には徳川光圀公(水戸黄門)が社殿を造営しています。明治までは「鹿島大明神」と称され、香取神宮・息栖神社とともに東国三社として親しまれてきました。現在の社殿は昭和37年に建て替えられたものですが、朱塗りの楼門(重要文化財)は天文19年(1550年)建立の壮麗な遺構です。また境内には武道の神にふさわしく日本武道館の碑が立ち、武道関係者の参拝も多いです。
御祭神: 主祭神は武甕槌大神(たけみかづちのおおかみ)で、雷と剣を司る武神です。『古事記』『日本書紀』に登場する鹿島の大神で、出雲国譲りの際に地上に降臨し大国主命に国譲りを迫った勇猛な神として描かれます。武甕槌大神は勝負事・武芸の神として仰がれ、鹿島神宮では古来より武道の守護神です。相殿には経津主神(ふつぬしのかみ)が祀られています。経津主神は香取神宮の祭神で、武甕槌大神とともに国譲りを成し遂げた武神です。鹿島神宮では、この二柱の武神が国家護平・武運長久をもたらすとされています。さらに大鯰を押さえつけて地震を鎮めているとされる要石(かなめいし)を御神体として祀っており、地震除けの信仰もあります。境内には奥深い森林が広がり、奥宮や湧水の御手洗池などのパワースポットが点在します。
主なご利益(勝運・航海安全 ほか): 鹿島神宮のご利益は、なんといっても勝運・必勝祈願です。御祭神・武甕槌大神が武神であることから、スポーツや勝負事での勝利を祈る参拝者が多く、プロアスリートも遠方から訪れるほどです。また、古来より武芸上達や武運長久の御利益が信じられ、現代では受験合格や仕事での成功祈願にも通じます。次に重要なのが交通・航海安全です。武甕槌大神は鹿島灘の荒波を鎮める海上守護神としても信仰されてきました。鹿島港の建設や海軍との関係もあり、船乗りたちが航海安全を祈願してきた歴史があります。現在も交通安全(特に車のお祓い)に訪れる人が多く、初詣でも交通安全守の授与が人気です。さらに、鹿島神宮には地震除けの信仰もあります。境内の要石は地中深くまで続き大鯰を押さえて地震を防ぐとされ、要石に触れて地震封じを祈る方もいます。その他、家内安全、商売繁盛、厄除開運、安産・子育てなどのご利益も一通りあります。特筆すべきは勝負運ですが、全体的に勇気と行動力を授け、災いから守る強いパワーの神様と言えるでしょう。

混雑予測と要所(要石・奥宮)での待機時間: 鹿島神宮の初詣参拝者は例年約70万~80万人ほどと見られ、関東トップクラスの神社群(明治神宮など)に比べれば少ないですが、茨城県内では最も賑わいます。特に元日午前は混雑し、本殿参拝に最大1時間以上待つ場合もあります。とはいえ境内が広大なため、極端な圧迫感はありません。狙い目は元日夕方以降や2日・3日の早朝で、この時間帯はゆっくり参拝できます。注目すべきは、境内の要所(パワースポット)での混雑です。例えば要石は奥参道にあり、初詣時は参拝客が順番に触れていくため数分程度の順番待ちが発生します。要石は小さな石の頭が地表に出ているだけなので、一人ずつ触れて祈願する形です。スタッフが誘導しますので指示に従いましょう。また、森の中の奥宮(武甕槌大神の荒魂を祀る社)も人気スポットで、こちらも本殿参拝後に訪れる人が多いです。奥宮は参道から少し離れますが、道が細いため渋滞しやすく、拝礼まで10分程度待つこともあります。さらにその先の御手洗池(湧水池)も神秘的な場所で、ここで水神に祈る人がいます。池のほとりは狭いので、譲り合って写真を撮るなどしてください。全体として、鹿島神宮は回遊式の境内なので人の流れは分散しますが、要石・奥宮・御手洗池は特に人気のため若干の待機は念頭に置きましょう。夜間参拝の場合、森林エリアは暗いので懐中電灯があると安心です。
授与品・御朱印: 鹿島神宮の授与品では、勝守(かちまもり)が人気No.1です。勝ちの文字が入ったお守りで、スポーツ選手や受験生に好まれます。勝色(紺色)や赤・白のバリエーションがあり、毎年多くの人が手にします。次いで交通安全守や八方除守(厄除け)など実用的なお守りもよく出ます。武甕槌大神にあやかった剣守(剣形のチャーム付きお守り)や、要石にちなむ地震除守も鹿島ならではです。さらに、鹿島神宮は鹿島アントラーズ(Jリーグのサッカーチーム)の本拠地という土地柄、アントラーズ勝利祈願のお守りや絵馬が出される年もあり、サポーターが購入していきます。絵馬は武甕槌大神が乗ったという白馬の図柄などが定番で、2026年はちょうど午年なので馬の絵馬は記念になりそうです。御朱印は力強い毛筆で「常陸國一之宮 鹿島神宮」と書かれたものが拝受できます。初詣期間中は書き手不足のため書置き対応(あらかじめ書かれた御朱印紙を渡す)が中心となる可能性が高いです。並べば頂けますが、三が日は大変混雑するため、こだわりがなければ日を改めた方が良いかもしれません。その他、破魔矢や熊手も頒布され、特に鹿島神宮では鹿の角を象った鹿角守など珍しい授与品もあります。限定品は売り切れることもあるので早めに手に入れましょう。

アクセス(車/公共交通)・周辺: 公共交通の場合、JR鹿島線「鹿島神宮駅」で下車し徒歩10分ほどで大鳥居に到着します。東京駅から高速バス(関東鉄道バス)が鹿島神宮行きを出しており、約2時間で直行できます(初詣時は増便あり)。高速バスは本数も多く、車内から初詣客向けの案内放送もあるので便利です。ただし道路渋滞にはまりやすいので時間に余裕を。車の場合、東関道・圏央道を経由し潮来ICまたは鉾田ICから国道51号で鹿島神宮を目指します。神宮周辺には大きな無料駐車場(北参道駐車場など)がありますが、正月は午前中で満車になります。臨時駐車場が周辺の学校などに設けられることもありますが、初詣三が日は交通規制で神宮周辺道路が一方通行化・進入禁止になるため注意が必要です。警察や自治体が発表する交通規制図を事前に確認してください。周辺スポットでは、鹿島神宮駅前から門前町が続き、古い旅館や土産物屋があります。名物は鹿島立ち最中(武甕槌命の像をかたどった最中)や、酒造の甘酒など。参道近くの茶屋では、名産の常陸秋そばやしらうお丼など茨城グルメも頂けます。時間があれば、車で10分ほどの場所にある息栖神社(東国三社の一つ)や、香取市の香取神宮まで足を延ばし、東国三社巡りを完遂するのもおすすめです。それぞれ距離はありますが、三社を巡って御朱印を揃えると達成感があります。最後に、鹿島神宮の森は木々が生い茂り空気がとても清浄です。初詣の賑わいの中にも厳かな森の気が感じられ、新年の気持ちを引き締めてくれるでしょう。
鹿島神宮(茨城県・鹿嶋市)→ 公式サイトはこちら
11. 初詣の基本マナーと作法

一年の最初の参拝である初詣では、正式な作法とマナーを守って清々しくお参りしたいものです。ここでは神社・お寺での基本的な参拝マナーを解説します。
- 参道の歩き方: 鳥居をくぐる際は一礼し、参道は中央(正中)を避けて端を歩きます。中央は神様の通り道とされるためです。帰りも鳥居を出たら振り返って一礼しましょう。
- 手水舎での手水: 境内に入ったらまず手水舎で手と口を清めます。柄杓を右手で持ち水を汲み、左手・右手の順に洗い、再度水を汲んで左手に受けて口をすすぎます。口をすすいだら再度左手を清め、最後に柄杓の柄を立てて残り水で柄を洗い流し戻します。一連の所作はゆっくりで構いませんが、他の人と譲り合いながら行いましょう。
- 賽銭・拝礼: 賽銭箱の前では軽く一礼してからお賽銭を静かに入れます(投げ入れるのは本来無作法ですが、初詣では箱が大きいので投げても構いません)。鈴があればしっかりと鳴らし、神社では二礼二拍手一礼が基本です。つまり、2回深い礼(腰を90度曲げる)をし、柏手を2回打ち(手は胸の高さで合わせてから右手を少し引いて打ち鳴らす)、心の中で祈念し、最後にもう一度深い礼をします。拍手の後に手を合わせてお祈りする場合もありますが、その際は音を立てず静かに祈ります。終わったら一礼して下がりましょう。寺院(仏式)の場合は基本的に拍手は打たず、二礼の後に手を合掌して祈り、一礼で終わります。お寺では鈴ではなく鐘や鰐口があれば一度鳴らします。また数珠を持参している人は合掌時に手に掛けても構いません。
- 神社とお寺の違い: 上述のように、神社では二礼二拍手一礼、寺院では合掌して一礼が原則ですが、初詣では神社仏閣混み合うため、形式よりも心を込めることが大事です。周囲の参拝者と調和しながら、静かな気持ちでお参りしましょう。なお、「願い事をする前に住所氏名を名乗ると良い」という説がありますが、初詣では人が多いので心の中でそっと氏神様に自分を報告し、感謝と誓いを述べる程度で十分です。
- その他のマナー: 境内では走ったり騒いだりせず神聖な雰囲気を保つよう心がけます。写真撮影は自由な場所が多いですが、本殿・拝殿内を無断で撮影するのは避けましょう(撮影禁止の掲示がある場合も)。また、強引な割り込みや長時間の場所占拠(特に御朱印所前やお守り所前での待機)は慎み、譲り合いの精神で初詣を楽しみましょう。
- 祈祷・厄払いの受け方: 初詣では厄除け祈祷を受ける方も多いです。神社で正式参拝(昇殿参拝)やお寺で護摩祈祷を希望する場合、まず受付で初穂料(玉串料)または祈祷料を納めます。金額はだいたい5千円~1万円が相場です。受付表に住所氏名と祈願内容(厄除・家内安全など)を書き、順番が来るまで待合所で待ちます。服装は本来スーツなどが望ましいですが、初詣では平服でも問題ありません。ただし帽子やサングラスは本殿内では外しましょう。順番が来たら案内に従い本殿や護摩堂に上がり、神職・僧侶の指示どおり着席します。祈祷中は姿勢を正し、目を閉じて頭を下げ静かに祈ります。おはらいの際には頭を下げてお祓いを受け、お札などの授与品を頂いたら神前に軽く一礼します。退場後、お札の扱い方(神棚に祀る方法など)の説明を受ける場合もありますので、聞き逃さないようにしましょう。祈祷は他の参拝者と合同で行われることも多いため、大きな声を出したり私語をしないのがマナーです。厄払いを受けたら、その年一年、神仏の加護があると信じて前向きに過ごすことが大切です。
以上が初詣における基本マナーと作法です。伝統的な作法を守りつつ、自分と家族の幸せを祈る気持ちが何より大事です。新年のご挨拶として神仏に感謝と誓いを捧げ、清々しい気持ちで一年をスタートさせましょう。
12. 実用ガイド

混雑回避早見表(時間帯×スポット)
初詣スポットごとの混雑ピークと狙い目時間を一覧にまとめました。参拝計画の参考にしてください。
| スポット | 混雑ピーク (要注意) | 狙い目時間 (比較的空いている) |
|---|---|---|
| 明治神宮(東京) | 元日0:00〜1:00(深夜激混み)、元日10:00〜15:00 | 元日2:00〜5:00(深夜後半)、元日19:00以降、1月2〜3日8:00まで・15:00以降 |
| 浅草寺(東京) | 12/31 22:00〜1/1 3:00、1月1〜3日10:00〜15:00 | 元日4:00〜8:00、元日19:00以降、1月2〜3日6:30〜8:00・17:00以降 |
| 東京大神宮 (東京) | 元日0:00〜4:00、元日11:00〜16:00(2〜3時間待ちも) | 1月1日早朝8:00〜10:00、元日19:00以降、1月4日以降(松の内過ぎてから) |
| 神田明神(東京) | 元日10:00〜15:00頃(境内混雑)、1月2〜3日10:00〜15:00 | 元日7:00〜9:00、元日18:00以降、1月2〜3日早朝・夕方 |
| 日枝神社(東京) | 元日10:00〜13:00(社殿前に列) | 元日7:00〜9:00、元日17:00以降、1月2〜3日午前中早め |
| 川崎大師(神奈川) | 大晦日23:00〜元日3:00、元日〜1月3日10:00〜17:00 | 元日5:00〜7:00、元日18:00以降、1月4日以降(平日) |
| 鶴岡八幡宮 (神奈川) | 元日10:00〜16:00(段葛・境内大混雑) | 元日6:00〜8:00、元日19:00以降、1月2〜3日7:00〜9:00・17:00以降 |
| 氷川神社(埼玉) | 大晦日23:00〜元日2:00、元日10:00〜17:00(2時間待ち) | 元日4:00〜8:00、元日17:00以降、1月2〜3日7:00〜9:00 |
| 成田山新勝寺 (千葉) | 元日0:00〜3:00、元日〜1月3日10:00〜16:00 | 元日4:00〜8:00、元日18:00以降、1月2〜3日6:30〜8:00・17:00以降 |
| 鹿島神宮(茨城) | 元日10:00〜13:00(比較的人数少なめだが昼前後集中) | 元日7:00〜9:00、元日16:00以降、1月2〜3日早朝・夜間 |
※上記は目安です。年によって混雑状況は変動しますので、最新の公式情報もご確認ください。「深夜2時〜5時が穴場」「夕方以降が空いてくる」といった傾向は各スポット共通です。体力と相談しつつ、混雑回避にお役立てください。
ご利益別おすすめ早見表
お願い事や叶えたい願望別に、特に有名・適した初詣スポットを3社ずつピックアップしました。ご利益重視で行き先を選びたい方は参考にしてください。
- 縁結び・恋愛成就: ①東京大神宮(東京) – 縁結び特化の「東京のお伊勢さま」、神前結婚式発祥。②出雲大社 東京分祠(東京) – 東京で出雲の縁結びの御利益を受けられる。③氷川神社(埼玉) – 夫婦神を祀り家庭円満・良縁にご利益。
- 商売繁盛・仕事運: ①神田明神(東京) – 江戸総鎮守、だいこく様とえびす様で商売繁昌祈願。②伏見稲荷大社 東京別社(東京) – 商売繁盛といえば稲荷神、都会でお稲荷様のご利益。③川崎大師(神奈川) – 厄除けと共に商売繁昌も有名、大師守護で事業繁栄。
- 勝負運・必勝祈願: ①鹿島神宮(茨城) – 武神・タケミカヅチを祀り勝負運最強。②鶴岡八幡宮(神奈川) – 源氏の守護神で必勝祈願、源頼朝も戦勝祈願した社。③東京十社・富岡八幡宮(東京) – 勝負の神・八幡様、江戸勧進相撲発祥で勝利のご利益。
- 厄除け・災難消除: ①川崎大師(神奈川) – 「厄除けのお大師様」、御利益絶大。②成田山新勝寺(千葉) – お不動様の御力で厄災退散。③日枝神社(東京) – 魔を猿(まさる)がお祓い、厄除けの信仰厚し。
- 家内安全・家庭円満: ①氷川神社(埼玉) – 家族神を祀り一家の安泰祈願に。②明治神宮(東京) – 明治天皇ご夫妻を祀り夫婦円満・家族の幸せ祈願。③熱田神宮(愛知) – ※エリア外だが三種神器の社、家内安全で有名。都内なら大國魂神社(府中)も。
- 交通安全: ①成田山新勝寺(千葉) – 全国の成田山分院で車祓い、交通安全守護。②鹿島神宮(茨城) – 海上・陸上交通守護、車のお祓いも盛ん。③富岡八幡宮(東京) – 都内有数の車祓所あり、安全祈願で人気。
- 学業成就・合格祈願: ①湯島天神(東京) – 言わずと知れた学問の神・菅原道真公、受験生の聖地。②亀戸天神社(東京) – 同じく道真公、江東の合格祈願名所。③太宰府天満宮 東京分院(東京) – 九州に行けなくても都内で天神様の御利益を。
その他にも健康長寿なら深大寺(東京、元三大師の厄除け)、安産なら水天宮(東京)や帯解寺(奈良)など専門の神社仏閣があります。ご自身の願いに合った神様仏様を選んで参拝すると、より心強く新年を迎えられるでしょう。
服装・持ち物チェックリスト(防寒・カイロ・小銭 ほか)
初詣に出かける際に用意しておきたい服装・持ち物のポイントをリストアップします。特に真冬の参拝は長時間屋外で待つ可能性が高いので、防寒・便利グッズの準備が重要です。
- 暖かい服装: 厚手のコート、セーター、ヒートテック下着など万全の防寒を。マフラー、手袋、耳当て、ニット帽などもあると◎(夜間・早朝は一層冷え込みます)。ヒールの高い靴は避け、歩きやすく暖かい靴(ブーツ等)を履きましょう。
- カイロ類: 使い捨てカイロ(貼るタイプ、貼らないタイプ両方)を多めに持参。待ち時間に手や腰に当てて体温キープできます。カイロは貼るタイプを背中やお腹、足先にも貼ると全然違います。またポケットにも予備を。
- 小銭・お賽銭: あらかじめ5円玉や50円玉(ご縁に通じる)、10円硬貨(十=とお=遠い縁を避ける意味)などお賽銭用の小銭を用意。混雑時に両替は難しいので100円玉も含め十分な小銭を持っていきましょう。お守り購入や露店用に千円札も数枚あると便利です。
- バッグ: 両手が空くリュックサックやショルダーバッグがベター。参拝時に荷物を地面に置かず済み、防犯上も安心です。貴重品管理に気を付け、スマホはスリ対策で内ポケットへ。
- ライト類: 深夜参拝や夜間の神社では足元が暗いことも。スマホのライト機能でも良いですが、小型懐中電灯があると◎。特に階段の多い神社では灯りがあると安全です。
- その他便利品: ポケットティッシュ、ウェットティッシュ(トイレや手が汚れた時用)。待ち時間に読む本やスマホの予備バッテリー。雨や雪の可能性があれば折りたたみ傘やレインコート。お子様連れなら携帯おやつ・飲み物、カイロを貼ったブランケットなども。有名神社ではライブカメラで混雑確認できる所もあるのでスマホでチェックできるようにブックマークしておくと便利です。
- マスク・エチケット: 昨今の情勢もあり、人混みではマスク着用が推奨される場合があります。密集での会話は控え、咳エチケットも意識しましょう。
- 御朱印帳・お守り返納: 御朱印を頂く予定なら御朱印帳を持参(書置き対応の場合クリアファイルも)。古いお守り・お札を持っている方は返納用に持参し、神社の納札所に納めましょう。
チェックリスト: 防寒着、カイロ、小銭、バッグ、ライト、 といった具合に、出発前に再確認を。寒さで体調を崩してはせっかくの初詣も台無しです。万全の準備で、快適に参拝を楽しんでください。
交通規制・臨時運行の確認方法
正月三が日は神社周辺で大規模な交通規制が敷かれる場合があります。また鉄道・バスも終夜運転や増発など特別ダイヤとなります。事前に以下の方法で情報を確認しておきましょう。
- 警察・自治体の情報: 各都道府県警察の公式サイトに「初詣交通規制情報」が掲載されます。例えば「東京都 初詣 交通規制 警視庁」で検索するとPDF地図が見られます。神奈川、千葉、埼玉など各警察HPに年末にアップされるので要チェックです。自治体観光課や神社公式サイトにも載ることがあります。
- 神社公式サイト・SNS: 大きな神社では公式サイトに「初詣のご案内」として参拝時間、駐車場利用不可期間、最寄駅の終夜運転案内などが載ります。TwitterやInstagramなどSNSでリアルタイム情報を発信する神社もあります。フォローしておくと最新情報が入手できます。
- 鉄道会社の発表: JR東日本や東京メトロ、私鉄各社は「大晦日〜元旦の終夜運転」や臨時列車ニュースリリースを出します。公式サイトのニュースリリース欄や駅掲示ポスターで確認可能です。特に終夜運転の有無、深夜帯の運行間隔は要確認です。帰宅難民にならないようにしましょう。
- バス会社の発表: 都営バスや私鉄バスも初詣臨時バス情報を公表します。例えば川崎大師行き臨時バス、成田山行きシャトルバスなど。路線バス会社のWebサイトやTwitterで告知されます。
- カーナビ・地図アプリ: カーナビの交通情報、Googleマップのリアルタイム混雑表示なども参考になります。出発前に目的地周辺の渋滞状況を確認し、駐車場が遠くてもスムーズに行けるルートを検討してください。
- 現地看板: 直接現地へ行く場合、周辺道路に交通規制の看板が出ています。「◯月◯日◯時〜◯時 車両通行止め」など具体的に書かれているので、下見できるなら下見も有効です。
総じて、「初詣 交通規制 ○○(地名)」や「終夜運転 路線名」で検索するのが手っ取り早いでしょう。情報収集を怠らず、当日は焦らず行動してください。
小さなお子さま連れ/高齢者と一緒の参拝ヒント
家族で初詣に行く場合、小さなお子さんやご年配の方がいると心配も多いですよね。以下に安心して参拝するためのヒントをまとめました。
- 混雑を避けた時間に: 可能であれば日中のピークを外した時間を選びましょう。小さな子供は人混みで圧迫されると怖がりますし、高齢者も転倒など危険です。元日なら早朝か夕方、もしくは日を改めて1月2日以降の午前中などがおすすめです。
- 防寒と休憩: 子供やお年寄りは体温調節が難しいので、特に暖かい服装を。ベビーカーの子にはひざ掛け、防寒カバーを。高齢者には貼るカイロを背中とお腹に貼ると冷え防止になります。無理せず暖かい場所で適宜休憩を。
- ベビーカー利用: 大混雑時のベビーカーは移動しづらく危険も伴います。可能なら抱っこ紐等で抱えて、ベビーカーは折りたたんで預けるか、使わない方が良いです。やむを得ず使用する場合、裏道を選ぶ、エレベーターのあるルートを探す(例えば日枝神社はエスカレーターあり)など工夫しましょう。周囲への配慮(押し合いに巻き込まれないよう車輪ロック等)も忘れずに。
- トイレとオムツ替え: 神社の仮設トイレは長蛇の列になりがちです。お子さんやご高齢の方は早めにトイレに行っておくか、途中駅や商業施設のトイレを先に利用しましょう。おむつ替えスペースは大規模神社だと設置されますが、無い場合もあるので簡易おむつ替えマットを持参すると安心です。
- はぐれ対策: 子供には迷子札(連絡先を書いた紙)を持たせたり、目立つ服を着せるようにします。先に「迷子になったら社務所か警備員さんの所に行くんだよ」と教えておくと良いでしょう。スマホで当日の子供の服装写真を撮っておくと万一の捜索に役立ちます。
- 高齢者の足元: 段差や砂利道が多い神社では杖やシニアカーの使用も検討を。人混みで杖歩行が難しい場合、思い切って車椅子(各自治体で無料貸出サービスあり)を利用するのも手です。付き添いの若い方が車椅子を押せば、比較的楽に参拝できます。多くの神社はバリアフリールートを案内してくれますので、係員に尋ねてみましょう。
- 無理せず引き返す勇気: 子供がぐずり始めた、高齢の親が疲れた、と感じたら参拝を強行せず途中で切り上げることも大切です。例えば「元日は無理だったから松の内のうちに地元の神社でお参りし直す」でも充分ご利益はあります。健康第一、安全第一で行動しましょう。
家族みんなが笑顔で初詣を終えられるよう、以上の点に注意してお出かけください。ゆったりとした気持ちで参拝すれば、新年の福もきっとほほ笑んでくれるはずです。
13. Q&A

Q. 元日以外の参拝はOK?松の内を過ぎたら初詣にならないの?
A. 元日にこだわらず、1月中(一般的には1月7日まで、関西は15日まで)であれば問題なく「初詣」としてご利益があります。むしろ混雑を避けゆっくり参拝できるため、1月4日以降に行く方も多いです。そもそも初詣に明確な期限はなく、「その年にまだお参りしていない神社仏閣への年初の参拝」であれば日付は問いません。松の内(関東は1月7日)が過ぎても、新年最初のお詣りなら初詣とみなされます。神社によっては正月の縁起物授与を1月中旬まで行っている所もあります。仕事始めの1月4日以降や成人の日の三連休など、タイミングをずらしてゆったり参拝するのも賢い選択です。
Q. 御朱印は並ばずに頂ける方法はある?混雑時の御朱印事情を教えて。
A. 人気神社の御朱印所は初詣期間中長蛇の列が常態化します。混雑を避けるには、(1) 書置き御朱印を後日郵送等で入手できるか確認する、(2) 日を改めて落ち着いた時期に頂く、の二つが現実的です。最近は初詣期間は御朱印対応を休止したり、事前に印刷した御朱印紙を配布する神社も多いです。その場合、御朱印帳を直接渡しての記帳はできませんが、用意された御朱印をもらうだけなのでさほど並ばずに済みます。また、混雑期限定で特別御朱印(スタンプや印刷)を頒布し、後日通常御朱印の対応を再開するケースもあります。基本的に「初詣三が日は御朱印は控える」というベテラン参拝者も多いです。落ち着いた1月半ば以降に再訪してゆっくり頂くか、どうしても欲しい場合は朝一番で行って並ぶしかありません。なお御朱印帳を郵送受付する神社(事前に帳面を送ると記帳して返送してくれる)もごく一部ありますので、各神社の公式案内をチェックしてみてください。いずれにせよ、御朱印は本来「参拝の証」ですので、まずはきちんと参拝を済ませ、ご縁があれば頂くくらいの心持ちでいるのが良いでしょう。
Q. ペット同伴で初詣してもいい?境内で写真撮影しても大丈夫?
A. ペット同伴は神社仏閣によって対応が異なりますが、屋外の境内を散歩する分には許可している所がほとんどです。ただしリードを短く持ち、抱っこできる小型犬は抱きかかえるなどして、他の参拝者に迷惑をかけない配慮が必要です。混雑時は踏まれたりパニックになる恐れもあるため、可能ならペット用キャリーバッグに入れるか、人混みを避けた時間帯に連れて行くと良いでしょう。また、本殿の中(建物内)へのペット入場は衛生上NGとする神社が多いです。お寺も同様で、本堂内にペットは入れません(盲導犬などは除く)。写真撮影については、基本的に屋外の撮影は自由です。ただしフラッシュは禁止の場合があるのと、他の参拝者の写り込みには配慮しましょう。神社本殿や寺院本堂の内部は撮影禁止としている所もあります(掲示があります)。マナーとして、拝礼中の方の邪魔にならないようシャッター音や立ち止まり場所に注意してください。「ここは撮っていいのかな?」と迷ったら、付近の神職やお寺の方に一声かければ確実です。SNS投稿も増える昨今、ドローン撮影や三脚使用は禁止が通例なので避けましょう。一枚記念写真を撮るくらいは問題ありませんが、くれぐれも周囲への心遣いを忘れずに。ペットと一緒の写真を撮る際も、人の少ない所でサッと済ませるようにしてください。
以上、よくある質問への回答でした。初詣は本来リフレッシュの場です。他の参拝者や神仏への敬意を払いながら、自分たちも気持ちよく過ごせるよう心がけたいですね。
14. まとめ

目的別おすすめ3選(混雑少なめ/ご利益重視/アクセス重視)
★混雑少なめに初詣したいなら: 比較的ゆったり参拝できるスポットを厳選すると、①日枝神社(東京・永田町) – 都心ながら大混雑は少なく、エスカレーターで楽々。②鹿島神宮(茨城) – 都心から離れ参拝客密度低め、広大な森でゆっくり散策も可。③神田明神(東京) – 人気神社だが境内が広く回転も早め、元日を避ければ比較的スムーズ。※どうしても有名社寺に行きたい場合は、日にち・時間帯をずらすのが最大の混雑回避策です。
★ご利益重視で選ぶなら: 祈りたい内容に特化した神社仏閣がおすすめです。例えば縁結びが願いなら東京大神宮(縁結び最強)、厄除けなら川崎大師や成田山(共に全国屈指の厄除不動)、勝負運なら鹿島神宮(武神のご利益)。また学業成就には湯島天神、商売繁盛には神田明神といった定番もあります。欲張りなようですが、「今年はこれ!」と願いを定めて場所を選ぶと、モチベーションも上がり良い結果を引き寄せるかもしれません。
★アクセス重視で楽に行くなら: 駅近・交通至便なスポットとして、①明治神宮(原宿駅徒歩1分。終夜運転で夜もOK)。②浅草寺(浅草駅すぐ。周辺にホテル等拠点多し)。③東京大神宮(飯田橋駅5分。都心のため各方面から行きやすい)。他にも川崎大師(駅近+高速バス有)、成田山(成田駅徒歩圏+空港から直行可能)など、アクセスの良い場所は多数。ただしアクセス良い=人気スポットでもあるため、混雑対策もお忘れなく。
参拝に向けたチェックポイント
最後に、初詣に出発する前のチェックポイントをまとめます。今年の参拝が安全で実り多いものになるよう、最終確認しておきましょう。
- 天気・気温確認: 天気予報をチェックし、気温に合った防寒着や雨具を用意する。深夜参拝は特に冷えるので真冬装備で。
- 交通情報確認: 行き帰りの交通規制や終夜運転情報を再確認。自家用車なら渋滞ポイント・駐車場の場所も把握。
- 持ち物確認: 服装と持ち物リストを再点検(カイロ、小銭、お守り返納品、御朱印帳、スマホ充電器、マスク等)を忘れずに。
- 家族・同行者と連絡方法: はぐれた時の待ち合わせ場所を事前に決めておく。携帯が繋がりにくい場合もあるので集合場所や時間を共有。
- 体調チェック: 少しでも体調が悪ければ無理しない勇気も大事。初詣は逃げません。万全の状態で臨みましょう。
- 参拝マナー再確認: 二礼二拍手一礼や合掌の仕方、手水の作法を頭の中でおさらい。神仏に失礼のない振る舞いを心がける。
- ゆとりと感謝の気持ち: 焦らずイライラせず、譲り合いの心で。他人への配慮と神仏への感謝を忘れない。
以上のポイントを押さえておけば準備万端です。それでは、2026年が素晴らしい一年になりますように。初詣で清らかな気をいただき、願いを胸に新たなスタートを切りましょう!本記事の情報とともに、安全で楽しい初詣プランを立ててください。皆さまの一年のご多幸をお祈り申し上げます。
※本記事の内容は2025年10月時点の情報に基づいて作成しています。実際の参拝時間・交通規制・授与品などは変更される場合があるため、参拝前に必ず各神社仏閣の公式サイトや自治体の最新情報をご確認ください。