目次

  1. きりたんぽ鍋
  2. 横手焼きそば
  3. いぶりがっこ
  4. ハタハタ寿司
  5. だまこ鍋

 雪深く寒さが厳しい秋田県には、長い冬を乗り切る工夫を凝らした郷土料理が数多く存在しています。濃い味つけの料理は比較的少なく、他県の人にも好まれる料理が多いようです。秋田県を訪れた際には、魅力たっぷりの、秋田ならではの郷土料理を、心ゆくまで味わってみてはいかがでしょうか?

1 きりたんぽ鍋

 秋田県の郷土料理として全国的に広く知られている「きりたんぽ鍋」。「きりたんぽ」とは、うるち米のご飯をつぶし、杉の棒に巻きつけて焼いたもののことで、味噌などをつけていただくと、味わい深く満足感が高い一品です。その「きりばんぽ」を食べやすい大きさに切り、鶏肉や野菜とともに醤油ベースのスープで煮込んだものが「きりたんぽ鍋」です。だしには鶏ガラを使用するため、さっぱりした中にもコクのある旨みが特徴です。

 「きりたんぽ」は、冬期に狩猟を行う漁師(マタギ)が保存食として携行するようになったのが発祥とされています。きりたんぽ発祥の地と伝わる秋田県北部の大館や鹿角地域周辺には、新米収穫後にきりたんぽ鍋を囲み、農作業の労をねぎらう習慣があり、今でも続いています。県内、特に大館市では、家庭料理として人気。おもてなし料理の定番となっており、冠婚葬祭の際によくふるまわれます。県内の居酒屋の定番メニューでもありますので、観光に訪れた際、気軽に食べることができます。


2 横手焼きそば

 「横手焼きそば」は、B級グルメの全国大会「B-1グランプリ」でも優勝経験のある実力派のソース焼きそばです。今やB級グルメの四天王のひとつと数えられるほど、全国的に有名です。極太でまっすぐなもっちりした麺、甘口のソースが特徴。具材は、キャベツ・豚ひき肉・ホルモンなどが定番。

 一番上にどーんとトッピングされる目玉焼きと、付け合わせの福神漬けが最大の特徴です。「焼きそばといえば紅ショウガ」という常識をくつがえす意外性とおいしさが話題となっています。目玉焼きの半熟の黄身を崩して麺にからめながら食べるのが「横手流」と言われています。


3 いぶりがっこ

 「いぶりがっこ」は、秋田の代表的な燻製干しのたくあん漬けです。大根を囲炉裏の上に吊るして、焚き火で燻製にしてから、主に米ぬかと塩で漬け込みます。香ばしい香りと米ぬかの素朴な味わいは、ご飯ともお酒ともよく合います。いぶりがっこの起源は室町時代で、県内陸部の農家で作られていた郷土料理です。

 長期間雪に閉ざされる地域の生活と健康を支えるためになくてはならない、雪深い秋田の風土が生み出した知恵の産物だと言えるでしょう。現在では、冬場の保存食として作る家庭は減り、物産品として作る生産者が増えてきています。スーパーをはじめ、直売所やネット通販でも幅広く販売されています。飲食店でも、いぶりがっこ、またはいぶりがっこを使用したさまざまな料理を味わうことができます。観光に訪れた際も、手軽に食べることができます。


4 ハタハタ寿司

 「ハタハタ」という魚は、深海に住む魚で、厳寒の日本海の荒波が育む名物としてよく知られており、秋田音頭の歌詞にも登場するほど、秋田を代表する食材です。その「ハタハタ」を使った寿司の一種が「ハタハタ寿司」。地元の農家では、冬の保存食のひとつとして作られてきました。

 「ハタハタ寿司」の作り方をご紹介していきます。塩漬けのハタハタを塩出しした後、麹を混ぜたご飯・カブやにんじんなどの野菜・昆布などとともに、桶に詰めて漬け込んだら、完成です。「ハタハタ寿司」は、通年にわたり各店で買うことができ、地元では、お正月やお祝いの日に好んで食べられます。観光に訪れた際は、郷土料理店などで気軽に食べることができます。


5 だまこ鍋

 「だまこ鍋」とは、比内地鶏をベースとしたスープに、鶏肉や野菜、すり鉢でついたご飯を団子にした「だまこ」が入った郷土料理で、秋田県央エリアで有名な料理です。鍋の具材は、セリや長ねぎ、マイタケなどのキノコ類、鶏もも肉などが定番です。「だまこ」の作り方は、丸めるときに軽く塩をつけたり、丸めてから網の上で少し焼くなど、地域によってやや違いがあります。

 新米で作るだまこは格別です。だしが染み込んでふわふわもちもちに仕上がっただまこは、特に子供たちに大人気です。「だまこ鍋」は、現在でも、秋田の各家庭で冬には必ず食されています。郷土食の継承の一環として、学校給食や家庭科の調理実習でも頻繁に作られています。観光に訪れた際は、居酒屋や郷土料理店などで気軽に食べることができます。


まとめ

 冬に食べたい魅力的な郷土料理の宝庫、秋田県。冬の秋田は、スキー、雪見温泉など、観光面の素晴らしさでも有名…ぜひ訪れてみたいところです。次の休みには、郷土料理を味わうことを目的に、秋田を訪れてみてはいかがでしょうか?